※2020年3月から一時的に閉鎖されていましたが2021年7月に再オープンしました。


モニュメントバレーとは?

透き通る青い空と赤茶けた広漠たる荒野のコントラスト。
「アメリカの原風景」とも言われるモニュメントバレーは、高さが1,000フィート(300m)にもおよぶ赤色の砂石で創られた自然の驚異的な地層で有名です。
風と雨、そして温度が持つ自然の偉大な力が、過去5000万年もの年月をかけて高地の表面を切り取り、削ぎ落してきました。硬質や軟質の岩石の層がただ剥ぎ落とされてゆく過程が今日のモニュメントバレーの自然の不思議をゆっくりと作り出してきたのです。

モニュメントバレーは、ナバホ・インディアンの居留地にあって正式にはモニュメントバレー・ナバホ・トライバル・パーク(Monument Valley Navajo Tribal Park)と言います。 アリゾナ州北部を中心に、日本の東北6県ほどの面積をもち、約25万人の住民がいます。

モニュメントバレーの位置モニュメントバレーの位置(ユタ州南部からアリゾナ州北部にかけた広いエリア)

約30万の総人口を擁するナバホ族は、アメリカ・インディアンの中でも最大の部族です。
ナバホ族の人達はこの居留地をNavajo Nation(ナバホ・ネーション)と呼んでいます。
それは、合衆国公認の“国”であり、ナバホ独自の大統領を持ち、独自の法律、国旗、国章、学校、大学、警察に準ずる組織 をも有する”半独立国”です。 
よって、このモニュメントバレーの地は、アメリカ合衆国の国立公園ではありません。

ちなみに、有名なアンテロープキャニオンもNavajo Nation(ナバホ・ネーション)内にあります。

ナバホ・ネーションの首都ウィンドウ・ロック(Window Rock)では評議会が開催され、自治区内にあるナバホ国立の大学も経営しています。
また、この”国”では禁酒法が定められており、居留地内では一切の飲酒とアルコールの類の販売が禁じられています。 たとえ観光客相手の店やロッジであっても一滴も飲むことは出来ません。

連邦政府は何度もこの地を国立公園に指定したい意向を申し入れたのですが、ナバホ政府はモニュメントバレーを厳しい規制がある国立公園にしてしまうことを良しとしませんでした。
なぜならモニュメントバレーはナバホ族にとっては神聖な地であり、なおかつそこで暮らす人達がいるからです。 ナバホの多くは近代的な生活をしていますが、モニュメントバレーには電気も水道もない伝統的な生活を今でも続ける人々がいるのです。
旅行者はそのことを充分理解して、この神聖な地を訪問することが大切です。

ナバホ族は紀元前2000年頃からこの地に住んでいました。 1921年にハリー・グールディング(Harry Goulding)と彼の妻がこの地にやって来て、ナバホ族より僅かのお金で土地を分け与えてもらい、彼らとの交易を始めて暮らしを立てていきました。 1928年には、交易で貯めたお金でグールディング・ロッジと空港(Trading Post)を作り、ナバホ族の人達との交流関係を促進する努力をしてきました。 そして、彼らはこの地を映画のロケ地として招致し、モニュメントバレーを世界的に有名にしたことでも知られています。 1938年に初めてジョン・フォード監督によって映画のロケに使われました。「駅馬車」に始まり「黄色いリボン」「荒野の決闘」「アパッチ砦」に代表される名画の数々がこの地で出来上がりました。

ジョンフォード・ポイント撮影のため長期間ここに滞留していることもあった為、グールディング夫妻の 好意でロッジの敷地内に小屋を建ててもらい、監督は撮影の期間そこで暮ら しをしていました。 その小屋は今も現存しております。
近年の映画では「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」、「フォレストガンプ」などで この地が使われました。 日本でもTVコマーシャル等の撮影で使われることが多く、誰でも一度は目にしたことがあるほど有名な景色となりました。

モニュメントバレーを満喫するツアーへのリンク

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どうしてこのような風景が出来上がったのか?

モニュメントバレーの夜明け

モニュメントバレーには、ビュートButte(残丘)と呼ばれる大小の岩山や、メサ(Mesa)といわれるテーブル形の台地が点在しています。 これらは、何千年という途方もない期間をかけて雨や風、地殻変動などによる自然の力によって徐々にできあがってきたものです。信じられないことに、大昔この大地は水(大河)に覆われていて、その水の流れや水が運んできた土砂によって岩が切り崩されていきました。今現在も、目には見えませんが侵食活動は進んでおります。

グランドキャニオンも、はるか未来には今のモニュメントバレーのようになると考えられています。


モニュメントバレーの気候について

統計では年間の晴天日が約300日もあり天候には非常に恵まれている場所です。
冬期は雨や雪が降ることも多いですが、雪が積もった風景はまさに荘厳で美しさは格別です。
夏の日中は32℃~35℃くらいになりますが朝夕は20℃を下回ることもあります。
標高が1500~1600mと高く、しかも乾燥しているので、1日の気温の差がとても大きくなります。

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伝統工芸、伝統料理

ナバホ族は特に美術・工芸の分野で高く評価されており、彩色土器や銀細工、砂絵などの技術は今もなお受け継がれています。特に、幾何学模様を配した織物“ナバホ織り”は世界的に有名です。

ナバホ族の伝統料理であるナバホタコは、油で揚げたパン揚げたパンのようなベースの上にレタスやタマネギ、トマトなどの生野菜とチーズを乗せてスパイシーなソースをつけて食べるボリューム満点のナバホの伝統料理。


動植物について

砂漠に近い気候のモニュメントバレーですが、数多くの生き物たちがいて、代表的なものとしては

ウサギ
ジャック・ラビット(オグロウサギ): 尾っぽが黒く、耳が顔の長さと同じくらい長い。

鹿
ミュール・ディーア(オグロジカ): 尾の先が黒く、耳が大きいのでロバに似ているように見える。

リス
プレリー・ドッグ : 草原にトンネルを掘り、大群をなして生息しています。彼らの天敵はコヨーテです。

その他、3~4種類のヘビ(代表的なものは“ガラガラヘビ”)、コヨーテ、草原ネズミ、カッコウと鶉(うずら)の仲間の鳥類も生息しています。動物は野生のものですので、日本で見られるような種類とは違います。日中に見かけることは難しいですが、運が良ければ見ることが出来るかもしれません。

また、植物に関してですが、この地では荒野の厳しさにも負けずに花が咲きます。 
ナバホ族の人達は薬草として植物を医療に役立てることが多いそうです。サグロア(サボテンの代表格)、ゴールデン・ポピー(けし科の花)、モハベ・ユッカ(糸蘭)、ビーバー・テイル(ビーバーの尻尾の形をしたサボテン)、オルガン・パイプ(オルガンのパイプに似た形のサボテン)等、多くの植物が存在しています。



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